現場固有の条件に応じた許容打重ね時間を予測できる
コンクリート打重ね品質管理システム
コンクリートの種類や配合,外気温などの現場固有の養生環境の変化に対応


概要
 打設したコンクリートの電気伝導率の経時変化を測定し,コンクリートの凝結の進行状況を把握することで,現場固有の条件に応じた許容打重ね時間を予測する,新たな品質管理システムです.この「コンクリート打重ね品質管理システム」を用いることにより,コンクリートの種類や配合,外気温などの現場固有の養生環境の変化に対応した,より適切な打重ね部の品質管理を行うことが可能になりました.本システムを組み込んだ高機能のICTコンクリート打設管理システムによって,コンクリート構造物の品質確保・向上を図ります.


【特徴】
(1)許容打重ね時間の予測
  • 様々な条件の下で,コンクリートの電気伝導率がピークを示す時間と,コールドジョイント発生限界の目安とされる貫入抵抗値を示す時間との関係を明らかにしました(図-1).蓄積した電気伝導率の変化とコンクリート凝結の進行との関係のデータベースを基に,打設毎のコンクリートに対して許容打重ね時間を予測し,現場固有の様々な条件の下でもコールドジョイント等のコンクリート打重ね部の不具合の発生を,今までにない高い精度で未然に防ぐことが可能となります.

図-1 コンクリートの練り混ぜ開始からの経過時間と電気伝導率,貫入抵抗値の関係例


(2)コンクリートや現場養生環境の変化に対応
  • 打設したコンクリートに開発したセンサを挿入し,電気伝導率を連続して測定します.コンクリート標準示方書等に示される許容時間による一義的な打重ね時間管理では反映することができなかった,コンクリートの種類や配合,外気温などの現場固有の養生環境の変化に対応して許容打重ね時間を予測することが可能となり,より適切な打重ね部の品質管理を可能としました(図-2).

図-2 コンクリート打重ね品質管理システムのイメージ図


【システム詳細】
 今回開発した「コンクリート打重ね品質管理システム」(図-2)では,様々な条件の下で蓄積した電気伝導率の変化とコンクリート凝結の進行との関係のデータベースを基に,許容打重ね時間を予測することができます.図-3は,本システムで予測した許容打重ね時間と凝結開始時間の差を,コンクリートの練り混ぜ開始からの経過時間の関係で示したものです.凝結開始時間の1時間前から,ほぼ10分以内の誤差で許容打重ね時間を予測できることを確認しました.また,打重ね管理が特に重要となる夏期のコンクリート打設においても,本システムの有効性を確認しています. コンクリート標準示方書等に示される許容時間による一義的な打重ね時間管理では,コンクリートの種類や配合,外気温などの現場固有の養生環境の変化に対応できませんでした.本システムでは,これらの条件の変化に対応でき,よりきめ細かな打重ね管理を行うことが可能となりました.予測した許容打重ね時間を携帯端末等を通して情報共有できるため,打重ね管理時間が少なくなる可能性が生じた場合でも,あらかじめ余裕を持って対策を講じることが可能で,コンクリートの品質確保に繋げることができます. .

図-3 予測した許容打重ね時間の誤差例


図-4 現場計測状況




Keyword 打重ね コールドジョイント 品質管理
2013年1月17日ニュースリリース
関連技術 ICTコンクリート打設管理システム
関連論文 1)阿保寿郎,松田浩朗,松元和伸,平間昭信,寺澤正人:電気的な特性値を用いたコンクリートの
         凝結の進行の把握に関する基礎実験, 土木学会第65回年次学術講演会,Y-508,pp.1015-
         1016,2010.
        2)松元和伸,松田浩朗,桃木昌平,寺澤正人,平間昭信:傾胴ミキサーによるアジテート時間が
         コンクリートの凝結性状に与える影響, 土木学会第67回年次学術講演会,Y-474,pp.947-948,
         2012.