高周波誘導加熱による除去式アンカー
IH除去式アンカー


概要

 導電体(PC鋼より線)に絶縁被覆導線のコイルを巻き、このコイルに高周波電流を流すと、 PC鋼より線には誘導磁界によって高密度の渦電流が流れます。PC鋼より線に流れる渦電流に よりジュール熱が発生し、PC鋼より線が発熱します。高周波誘導加熱はPC鋼より線自体が発 熱するので、ニクロム線等によるヒーター加熱方式に比べ熱効率が良く、短時間で高温加熱 することが可能です。
 この誘導加熱(Induction Heating)技術を利用して、山留め材として使用後不要 となった仮設グラウンドアンカーを撤去する工法です。IH除去式アンカーの開発により 除去式アンカー設計の最適化や除去費用の低減が可能となります。




特長
  • アンカーとして奇数本のPC鋼より線も採用可能です。旧来の偶数本とする必要のある除去式アンカーと比べ、最適なアンカー本数設計が可能です。
  • 耐荷体先端でのループ加工が無いので、PC鋼より線許容荷重の低減がありません。
  • PC鋼より線引き抜き時、特殊なウインチ等は不要です。
  • 従来の一般的な除去方法ではPC鋼より線にくせ(らせん状)が付き、引き抜き後の処理に課題がありました。本工法はPC鋼より線が直線的に切断されるので、従来方式と比べ除去後のPC鋼より線処理が非常に容易です。
  • 除去費用を含めたトータルコストの低減が可能です。

   
 ■手順・従来との比較     
   
(1)削孔   (2)アンカー建込み   (3)アンカー建込み終了
         
   
(4)アンカー緊張   (5)緊張後アンカー部養生   (6)高周波通電切断
         
   
(7)高周波電源装置   (8)人力による引き抜き   (9)切断面
         
(10)PC鋼より線除去終了

   
従来タイプ除去式アンカー

    高周波式除去装置アンカー    

主な適用範囲

近年、仮設土留の支保工のひとつとしてアンカー工法がありますが、過密化する都市部では民地境界を侵すため、近年、除去式アンカーの使用が増えてきています。それに応えて各種の除去式アンカー工法が提案され採用されていますが、多くが設計上偶数本のPC鋼より線となり最適な設計ができない、引き抜き時特殊なウインチ等が必要、除去費用が高い等の課題も有ります。本技術は最適なアンカー本数が選択でき、簡単な装置によりPC鋼より線を確実に除去できることなどを狙いに開発した技術です。
主な実績
  • 東名阪自動車道植田南工事 (H18年11月)
  • 高エネ研(東海)大強度陽子加速器施設ニュートリノ実験施設(デイケイボリューム(下流部))等新営土木工事 (H19年9月)
  • 東名阪自動車道植田南工事 (H20年4月)
  • 高エネ研(東海)大強度陽子加速器施設ニュートリノ実験施設(デイケイボリューム(下流部))等新営土木工事 (H20年7月)
 ■プレスリリース

Keyword IH 高周波 アンカー 除去式 PC綱より線 土留め 仮設 
関連資料
関連技術    
関連論文 高周波誘導加熱による除去式アンカーの開発/第4回日本加速器学会年会・第32回リニアック技術研究会,梗概集,pp.173-175,2007年8月
高周波誘導加熱を利用した除去式アンカーの開発/とびしま技報57号,pp27-42,2008年10月