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平成21年(2009年)8月11日の駿河湾地震
地震被害調査速報
 被害調査速報 Ver.1 2009.10.02  
更新履歴
2009.10.02


   
■被害調査の概要
  まず、この地震で被災された方々に,心よりお見舞い申し上げます.
 2009年8月11日05時07分頃,静岡県に面する駿河湾の深さ23km(発生場所(震源位置) 北緯34度47.1分 東経138度29.9分)でマグニチュード6.5の地震が発生し,震源域近傍の静岡県伊豆市,焼津市,牧之原市,御前崎市では震度6弱の強いゆれを観測しました.発震機構は横ずれ成分を持つ逆断層型(圧力軸は北北東−南南西方向)とされています.飛島建設技術研究所では被害状況を把握し,その結果を災害復旧支援や今後の地震防災に役立てるため,8月14日,15日に地震被害調査を実施いたしました.ここでは調査結果の速報を報告させて頂きます.なお,短時間の調査であり,網羅的な被害調査とはなっておりません. また,被害をすべて確認できたわけではございませんので,記述に間違いがある可能性もございますが,順次改訂いたしますので予めご了承ください.なお,本調査では,特に墓石の災害にも着目し調査を行っております.  飛島建設は「防災のトビシマ」をスローガンに掲げ,常に地震災害など自然災害の軽減への取り組みを進めております.この調査結果などにより,一日も早い復興にお手伝いできますれば幸いです.
 なお,速報の掲載が大変遅くなりましたことをお詫びいたします.
(地震発生時刻、発生場所及び地震の規模(マグニチュード)は気象庁発表の暫定値です)



図-1 地震被害調査の経路
     
■被害調査の経路と被害の概要
  図-1に被害調査の経路を示す.静岡市から震度6弱が観測された御前崎市方面を8月14日,伊豆半島西岸と中央部を8月15日に調査した.現地では,乗用車を利用して調査を実施した.図中の青,赤の実線は,それぞれ8月14日,8月15日の調査ルートであり,この経路上に記した点は調査のため,主として立ち寄った場所である.またこれらの点には,調査した(時系列)順に番号を付した.  静岡駅から御前崎方面へと向かい,まず静岡市と焼津市の境である大崩で,斜面崩壊を発見.焼津港では岸壁の沈下・移動,埋め立て地内での液状化とそれに伴う構造物被害が見られた.大井川付近の低地内の寺院では墓石の移動・回転・転倒や液状化が見られた.牧之原市では,液状化に起因した墓地の大きな被害,相良漁港平田地区の公衆トイレの傾斜などが見られた.御前崎港では新しい埋め立て地で広範囲に液状化が発生した.  伊豆半島では,西岸で斜面崩壊がいくつか生じた.また,伊豆半島中部では,道路斜面の崩壊による通行止めやわさび畑の被害が見られた.同じく伊豆市内では,同じ墓地内でも他の場所では被害がみられない中で,特定の細い尾根筋に立てられた墓石のみが被害を受ける事例が見られた.


静岡〜御前崎(駿河湾沿い)
    
静岡市駿河区石部(せきべ)(大崩海岸)(地図上1番)
比較的新しい崩壊面が見られ,地震の影響があった可能性がある.
焼津市小浜(大崩海岸)の斜面崩壊(地図上2番)

焼津市小浜(大崩海岸)の斜面崩壊(地図上2番)

焼津市小浜(大崩海岸)の墓地(地図上2番)
被害なし.
焼津市小浜(大崩海岸)の民家の屋根がわらの被害(地図上2番)
焼津市中港地区の土蔵の屋根の被害(地図上3番)


         
焼津市中港地区のブロック塀の傾斜(地図上3番) 焼津市焼津港(地図上4-1番)
岸壁の沈下,傾斜,移動
焼津市焼津港(地図上4-1番)
岸壁の沈下,傾斜,移動
焼津市焼津港(地図上4-1番)
岸壁の沈下,傾斜,移動
焼津市焼津港(地図上4-1番)
液状化による噴砂
焼津市焼津港(地図上4-1番)
液状化による噴砂


         
焼津市焼津港(地図上4-1番)
液状化による噴砂
焼津市焼津港鰯ヶ島海洋深層水の施設の被害
(地図上4-2番)

液状化による貯水槽の浮上
焼津市焼津港鰯ヶ島海洋深層水の施設の被害
(地図上4-2番)

液状化による貯水槽の浮上
焼津市焼津港鰯ヶ島海洋深層水の施設の被害
(地図上4-2番)

貯水槽周辺に見られる噴砂
焼津市焼津港鰯ヶ島の公園での液状化
(地図上4-2番)
焼津市焼津港鰯ヶ島の公園での液状化
(地図上4-2番)


         
焼津市焼津港鰯ヶ島のアクアス焼津の被害
(地図上4-2番)

焼津市焼津港鰯ヶ島のアクアス焼津の被害
(地図上4-2番)

階段部コンクリートの亀裂
焼津市焼津港鰯ヶ島のアクアス焼津の被害
(地図上4-2番)

配管の取り付け口の傾斜,周辺の沈下の影響と考えられる.
焼津市焼津港鰯ヶ島のアクアス焼津の被害
(地図上4-2番)

配管の取り付け口の傾斜,周辺の沈下の影響と考えられる.
焼津市焼津港鰯ヶ島のアクアス焼津周辺の舗装の被害(地図上4-2番)
焼津市焼津港鰯ヶ島のアクアス焼津周辺の舗装の被害(地図上4-2番)


         
焼津市小川港の被害(地図上5番)
道路の亀裂
焼津市小川港の被害(地図上5番)
道路から続く地盤の亀裂
焼津市小川港の被害(地図上5番)
搬入設備の移動傾斜
焼津市小川港の被害(地図上5番)
搬入設備の移動傾斜
焼津市小川港の被害(地図上5番)
搬入設備の移動傾斜
焼津市小川港(地図上5番)
積み上げたコンテナは倒壊していない.


         
焼津市田尻北の民家の屋根がわらの被害
(地図上6番)

焼津市内では屋根瓦被害が散見される.
焼津市田尻北の民家の屋根がわらの被害
(地図上6番)

焼津市田尻北のセメント工場(地図上7番)
被害なし
焼津市惣右衛門の墓石展示場の墓石(地図上7番)
被害なし(墓石相互は何もとめていない)
焼津市利右衛門,大井川港付近のLPガスの基地
(地図上8番)

被害なし
焼津市飯淵,大井川埠頭(地図上8番)
被害なし


         
焼津市飯淵,大井川下流左岸の墓地,竜泉寺
(地図上9番)

多くの墓石は被害なし.いくつかに墓石の移動・回転が見られた.
焼津市飯淵,大井川下流左岸の墓地,竜泉寺
(地図上9番)

多くの墓石は被害なし.いくつかに墓石の移動・回転が見られた.
焼津市飯淵,大井川下流左岸の墓地,竜泉寺
(地図上9番)

釣鐘堂の柱が移動.
焼津市飯淵,大井川下流左岸の墓地,竜泉寺
(地図上9番)

釣鐘堂の柱が移動.
焼津市飯淵,大井川下流左岸の墓地,竜泉寺
(地図上9番)

多くの墓石が回転.回転率9/14.
焼津市飯淵,大井川下流左岸の墓地,竜泉寺
(地図上9番)

墓石の回転,この地域の中台はパッカー型で万中が空洞で石を合わせた形式となっている.移動により中台の石の間に隙間が生じている.


         
焼津市飯淵,大井川下流左岸の墓地,長徳寺
(地図上9番)

古い墓石はすべて転倒10/10.
焼津市飯淵,大井川下流左岸の墓地,喜徳庵
(地図上9番)

液状化による噴砂
焼津市飯淵,大井川下流左岸の墓地,喜徳庵
(地図上9番)

墓石の移動・回転.液状化により沈下・傾斜.
焼津市飯淵,大井川下流左岸の墓地,喜徳庵
(地図上9番)

古い墓石は転倒.
焼津市飯淵,大井川下流左岸の墓地,喜徳庵
(地図上9番)

隣接する民家の屋根がわら被害.
焼津市飯淵,大井川下流左岸の墓地近傍のNTTdocomoの無線局(地図上9番)
被害なし.


         
吉田町呑海寺の墓地(地図上10番)
被害なし,近傍の住吉神社では灯篭と狛犬が転倒.修理していた石材店の方の話では,近所の住吉共同墓地で12基転倒したのを修理.全数は5000くらいなので,転倒率は0.2%程度.
吉田町吉田漁港(地図上10’番)
小さな亀裂がある程度
牧之原市細江(地図上11番)
民家の屋根がわら被害
牧之原市細江 妙昌寺(地図上11番)
古い墓石を除いて墓石の転倒はなし(0/約50),回転は4基
牧之原市細江 法光寺(地図上11番)
古い墓石を除いて墓石の転倒はなし(約200基)回転・移動は4基
牧之原市細江 法光寺(地図上11番)
古い墓石のみ転倒


         
牧之原市細江(地図上11番)
民家の屋根がわらの被害
牧之原市中 長興寺(地図上12番)
転倒なし(約200基)
牧之原市静波 安楽寺(地図上11’番)
転倒なし(約200基)
牧之原市片浜相良港坂井地区(地図上13番)
修理に来ていた業者の片に話では,近傍の片浜地区では,浄化槽の浮上の被害が12件以上とのこと.液状化が近傍でも発生していたと推定される.
牧之原市片浜相良港坂井地区(地図上13番)
液状化によりトイレが傾斜
牧之原市片浜相良港坂井地区(地図上13番)
液状化による噴砂


         
牧之原相良 相良橋(地図上14番)
橋台の移動による取り付け部の被害
牧之原相良 相良橋(地図上14番)
橋台の移動による被害
牧之原相良 相良橋(地図上14番)
橋台の移動による被害
牧之原相良 相良橋(地図上14番)
牧之原波津 浄心寺(地図上15番)
転倒率約9%(6/65),回転15基
牧之原波津 浄心寺(地図上15番)
お堂の被災


         
牧之原波津 浄心寺(地図上15番)
本堂も被災
牧之原波津 浄心寺(地図上15番)
ブロック塀の転倒,周辺民家の屋根がわら被害
牧之原波津 浄心寺(地図上15番)
墓石の移動,隙間
牧之原波津 浄心寺(地図上15番)
古い墓石の転倒.地面が砂地であるため,わかりにくいが噴砂らしきものもあり,液状化の可能性もある.
牧之原波津 浄心寺(地図上15番)
墓石の転倒
牧之原波津 浄心寺(地図上15番)
納骨部のはめ板が落下して損傷


         
牧之原相良 心月寺(地図上15番)
激しい墓石の転倒被害
牧之原相良 心月寺(地図上15番)
お盆で緊急修理がおこなわれたが,復旧されていてもその傷から転倒を判断し,転倒率を推定50%以上(64/126).
牧之原相良 心月寺(地図上15番)
至るところに噴砂が見られ,液状化に起因した被害と考えられる.
牧之原相良 心月寺(地図上15番)
未復旧のものも多数.
牧之原相良 心月寺(地図上15番)
噴砂と被災墓石
牧之原相良 心月寺(地図上15番)
応急復旧しているが,転倒で大きくかけた墓石


         
御前崎市 御前崎港(地図上16番)
もっとも北の埋め立て地の各所で液状化
御前崎市 御前崎港(地図上16番)
もっとも北の埋め立て地の各所で液状化
御前崎市 御前崎港(地図上16番)
もっとも北の埋め立て地の各所で液状化
御前崎市 御前崎港(地図上16番)
もっとも北の埋め立て地の各所で液状化
牧之原市静谷 東名高速道路の復旧(地図上17番)

牧之原市静谷 東名高速道路の復旧(地図上17番)



伊豆半島西岸
         
沼津市松長蓮窓寺の墓地(地図上18番)
被害なし
沼津市内浦重寺淡島に面する港(地図上19番)
被害なし
沼津市西浦木負(にしうらぎしょう)の長福寺墓地
(地図上20番)

1基だけわずかに回転していたが,他は被害なし
沼津市西浦江梨(にしうらえなし)の航浦禅院の墓地(地図上21番)
被害なし
沼津市西浦江梨(にしうらえなし)(地図上21番)
電柱にある津波への注意喚起の掲示
沼津市西浦江梨(にしうらえなし)県道17号の落石
(地図上22番)

この付近から,落石がみられるようになる


         
沼津市戸田 港にあるクレーンの基礎(地図上23番)
被害なし
沼津市戸田 戸田小学校(地図上23番)
外見上被害なし
沼津市戸田 津波にそなえる非常階段(地図上23番)

沼津市戸田 文化財の土蔵の被害(地図上23番)
沼津市戸田 文化財の土蔵の被害(地図上23番)

沼津市戸田の墓地(地図上23番)
斜面に設置されているが被害なし


         
伊豆市県道17号小土肥近傍の斜面崩壊(地図上24番)
 
伊豆市小土肥の海岸の斜面崩壊(地図上25番)

伊豆市小土肥の海岸の斜面崩壊(地図上25番)

伊豆市小土肥の海岸の斜面崩壊(地図上25番)
伊豆市小土肥の墓地(地図上26番)
非常に古い墓石の転倒がある程度で被害はほとんどない.
伊豆市小土肥の墓地(地図上26番)
斜面に設置されているが,回転・移動は見られるものの転倒被害はほとんどない.


伊豆半島中央部
         
伊豆市冷川地区東向寺の墓地の被害(地図上27番)
東向きの細い尾根筋上の墓石が大きな被害を受けた.
伊豆市冷川地区東向寺の墓地の被害(地図上27番)
過去にも2回被害(1978年以降か?)を受け3回目とのこと.
伊豆市冷川地区東向寺の墓地の被害(地図上27番)
移動のみで転倒を免れた墓石
伊豆市冷川地区東向寺の墓地の被害(地図上27番)
移動のみで転倒を免れた墓石.耐震対策はない.
伊豆市冷川地区東向寺の墓地の被害(地図上27番)
芯棒とモルタルでとめたあと.芯棒は曲がっている.
(短い)
伊豆市冷川地区東向寺の墓地(地図上27番)
芯棒のある墓石.立ち上がりの高さが小さい.


         
伊豆市冷川地区東向寺の墓地の被害(地図上27番)
幅の狭い尾根筋(東向き)上の墓石が被害を受けている.
伊豆市冷川地区東向寺の墓地の被害(地図上27番)
斜面の横の通路は補強されている.(過去に地震被害を受けた際のものか?)
伊豆市冷川地区東向寺の墓地の被害(地図上27番)
斜面には,以前の地震で被害を受けた墓石の破片らしきものも.
伊豆市冷川地区東向寺の墓地の被害(地図上27番)
以前,斜面にあり地震被害を受けて,移設されたであろう墓石.今回の地震では転倒していない.1977年建立であり1978年の伊豆半島沖地震で被災か?
伊豆市冷川地区東向寺の墓地の被害(地図上27番)
他の斜面の墓石は移動しているが転倒はない.
伊豆市徳永地区永徳寺の墓地(地図上27番)
被害の大きかった冷川地区の東向寺と徳永川を挟んだ対岸の斜面にあるが,ほとんど被害はなかった.古い墓石1つのみ転倒


         
伊豆市修善寺 修禅寺の墓地の被害(地図上30番)
東に伸びる尾根筋のみ墓石が転倒している.
伊豆市修善寺 修禅寺の墓地の被害(地図上30番)
転倒率は50%以上.
伊豆市修善寺 修禅寺の墓地の墓石の転倒
(地図上30番)

伊豆市修善寺 修禅寺の墓地の墓石の転倒
(地図上30番)

伊豆市修善寺 修禅寺の墓地の墓石の転倒
(地図上30番)

伊豆市修善寺 修禅寺の墓地(地図上30番)
北側斜面では,墓石の移動が少し見られるものの転倒は見られない.


         
伊豆市修善寺 修禅寺の墓地の転倒した墓石
(地図上30番)

古い墓石は,目粗しした上台の上に棹石を設置したのみ.
伊豆市修善寺 修禅寺の墓地の転倒した墓石
(地図上30番)

目粗しした上台の上にモルタルを塗って棹石を設置したもの.
伊豆市修善寺 修禅寺の墓地の転倒した墓石
(地図上30番)

モルタルを塗って棹石を設置したもの.
伊豆市修善寺 修禅寺の墓地の転倒した墓石
(地図上30番)

太い芯棒を設置したもの.高さがなく抜けている.
伊豆市県道59号国土峠付近の斜面崩壊(地図上28番)

伊豆市県道59号国土峠付近の落石(地図上28番)



伊豆市県道59号国土峠付近の斜面崩壊(地図上28番)
伊豆市場地区のわさび畑の被害(地図上29番)
被害届を出した大きな被害だけでも26か所に及ぶとのこと.斜面にビニールシートが散見される.
伊豆市場地区のわさび畑の被害(地図上29番)
被害届を出した大きな被害だけでも26か所に及ぶとのこと.斜面にビニールシートが散見される.
伊豆市場地区のわさび畑の被害(地図上29番)
被害届を出した大きな被害だけでも26か所に及ぶとのこと.斜面にビニールシートが散見される.

   
■調査担当者
三輪 滋

   
■謝辞
この調査は,一部東海大学海洋学部海洋建設工学科教授藍壇オメル先生,同大学院太田良巳氏と行ったものです.合わせて,太田氏の追加調査の情報も記載させていただきました.御協力大変ありがとうございました. また,墓石の被害に関しては,日本石材産業協会常任理事川本様,同静岡支部石井様,川口様,景山様,鈴木様にご協力いただきました.記して感謝の意を表します.
なお,この調査の一部は,平成21年度科学研究費補助金(基盤研究(c),課題番号19560490)を得て行われたものです.


担当者